免状料値上げに猛反対
囲碁界において絶大の影響力をもつ藤沢秀行。
秀行はアマチュアとの交流も多少なりとも行っていたので、アマチュアからの生の声も耳にしていたのだろう。
日本棋院にアマチュアが五段と認められるには10万円の手数料を払わなければならない。七段と認めてもらうには50万の手数料。
アマチュアの棋力を認定する免状料は高すぎる。
日本棋院はアマチュアの棋力をはかり免状を出してくれるが、ただではやってくれない。
誰にでも手軽に碁を楽しんでほしいと思う秀行は日本棋院がアマチュアに対して発行する免状の料金が高すぎる、と異を唱えた。
さらに免状の値上げに対しては猛反対した。
だが日本棋院が秀行の意見を聞き入れることはなく、1999年、74歳の秀行はついに日本棋院を脱退。
日本棋院は組織の運営に混乱をもたらすとして秀行を除名した。
秀行独自の免状を交付
その後、秀行は自らでアマチュアたちに段位の免状を発行することを明らかにした。
東京・九段会館で会見した秀行は、自分が行動をおこすことで、一滴が大きな波紋になって免状料金の問題が改善されていってほしいと願った。
日本棋院と敵対することを覚悟して、この問題に真正面からぶつかっていった秀行に感銘を覚えた人は少なくなかったに違いない。
除名処分の4年後には秀行と日本棋院は和解。
秀行は日本棋院に戻ったが、免状料金は現在も改善されていない。