囲碁とAI
AIとは「Artificial Intelligence」の略で日本語では「人工知能」と訳す。囲碁は数あるボードゲームの中で最も難解なゲームの一つとみなされている。実際にチェスのAIは1990年代に、将棋のAIは2010年前後にそれぞれのプロに勝つまでの実力を備えるまでに至った。
2010年代に入ってからも囲碁のAIはハンデ(置石)があってもプロ棋士に勝てない時期がしばらく続いたが、2016年にはプロ棋士と互角かそれ以上の力をもつようになった。AIの学習速度は著しく、人間はあっという間にAIに追い越されてしまった。
興味深いのは人間が悪手と考えてきた誰もが敬遠してきた手をAIは時に放つことだ。そしてそれが勝ちに結びつく。「今まで一人として疑ってこなかったが実はこれは良い手なのではないか」と、AIが打つ手をもとに人間は囲碁を新しい視点から学び始めている。