生け花が癒し
秀行の本妻であるモトは酒とギャンブルと女に溺れる秀行のせいで胃痙攣によくなったらしい。病院で診察してもらうと何でもないと言われるが、病院を出て家に近付いてくるとお腹がキリキリ痛んでくる。
そんなモトにとって、生け花は秀行との生活で抱える大きなストレスを発散できる場所だった。
花はどんな悩みでも聞いてくれるし受け入れてくれる、と嬉しそうに話すモト。結婚してから始めた生け花だったが、「総華督」という流派最高位の免許を取得するまで上達した。モトは総華督の「藤沢秀圭」という名をもつ。
秀行の癌
総華督として自宅で華道教室を開いて生徒たちに生け花をおしえる。秀行はめったに家に帰ってこないので、家を教室として使おう。ちょうどいい。全く問題がない。
秀行は外で遊びほうけているし、モトはモトで自分の人生を楽しもう。そんなふうに思っていた矢先、秀行は癌を患ってしまい家にいることが多くなってしまったという。
なんでこのタイミングでと思わなかったといえば嘘だろうが、モトは生け花よりも秀行の看病を優先した。