藤沢秀行とギャンブル

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ギャンブル中毒

秀行は毎日競輪競馬を欠かさないギャンブル中毒だった。長男の秀樹が小さい頃を振り返る。ある日、秀樹は秀行が遊びに連れて行くというから一緒に出かけたが、秀樹が着いた場所は競輪場。

「ここでじっとして自分が戻ってくるまで動かないように」と長男に言い残して秀行は意気揚々と車券を買いに投票窓口へ。

秀樹は父親と楽しい思い出をつくるどころか、終日どんぐりを拾って秀行が帰ってくるのを言われた場所でずっと待っていたという。

今となっては笑い話だろうが、秀行は決して褒められた父親ではなかった。

借金3億円

「NHK杯で優勝して手にした何百万という賞金を一日で競輪競馬に使い切ってしまうこともあった」と武宮正樹はいう。

また「秀行は家にお金を入れる前に外で使ってしまうので、私の手元にはいつもお金はない状態だった」と本妻のモトはあきれた顔で嘆いていた。長男によると、モトは質屋などに行ってお金を調達したりもしたようだ。

借金は3億円まで膨れ上がり、ついに自宅は差し押さえられて競売にかけられた。この絶望的な状況を切り抜けるためには棋聖戦(昭和52年)に勝つしかなかった。秀行52歳。

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