モトに秀行が贈った唯一のプレゼント

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ありがとう

59年間の夫婦生活の中で、モトは秀行から「ありがとう」と感謝されたことは一度もなかった。そんな秀行がモトに唯一プレゼントしたものがある。それは自分で考えたモトの「戒名」。

紫雲徳徳大姉(しうんとくとくたいし)

紫雲は仏様が死者を迎えくるときに乗ってくる雲。徳徳は非常に高い位。素直に感謝の言葉を口にできない秀行だが、常日頃からモトに感謝していないわけがなかった。素敵な戒名を贈って「お前のことは悪く思っていない」という気持ちをどうにかして伝えたかったのだろう。

天の邪鬼

戒名を記した紙をわたしながら、秀行はモトにこんなことを言ったという。「俺と結婚してよかったな。お前みたいな女は平凡なやつと一緒になってたらきっと一日ともたず飽きてしまったはずだ。」モトの前ではやはり素直になれない秀行。

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