食べていくには困らない
金持ちになることは難しいが、プロになればつつましく生きていくのに困らないぐらいの稼ぎを得ることはできる。囲碁が打ちたくてプロ棋士になるのだから、それで満足な棋士がほとんどだろう。
囲碁のプロ棋士は碁を打つのが仕事。碁を打ってお金を稼ぐ。稼ぐ場は年間の公式戦。一回の対局毎にお金をいただいている。誰からか。各棋戦のスポンサー企業からである。例えば、七大タイトルの中で最高峰の棋聖戦の冠スポンサーは読売新聞なので、棋聖戦の大会に出場して対局すれば読売新聞から「対局料」をもらうことができる。対局料を受け取るのに勝ち負けは関係ない。読売新聞から「対局してくれてどうもありがとう」ということ。棋士に出場してもらわないと大会自体が成り立たないのだから。受け取る額は雲泥の差だが、ボクサーがファイトマネーを得るのと似ている。
強ければ勝ち進みたくさん公式戦で打つことができるので、それだけ対局料が入ってくる。対局料は数万円から十数万円なようで、まず対局のレベルで違う。例えると、一回戦は少額だが二回戦、三回戦と上にいくと高額になっていく。また、棋士が何段かによっても支払われる対局料は異なるという。初段から四段までは対局料は徐々に上がるが、五段になると一気に増えるらしい。
賞金総額一億円超
囲碁が強ければ年間賞金総額が一億円を超えることも可能。七冠を達成したときの井山裕太の年間賞金総額は一億五千万ぐらいだった。大会の優勝賞金は最高で棋聖戦の4500万円。小さい大会だと1000万円を超えない。また、出場できる大会が数多くあるわけでもないので、複数の棋士が億単位の賞金を稼げるということはない。小さなパイを皆で分け合うという感じ。
副業
囲碁教室の運営、囲碁講師、囲碁インストラクター、囲碁イベントの司会や解説などを副業としてこなすプロ棋士は少なくない。社交的な人や教えることが好きな人には向いている仕事だろう。
これらの仕事は以前は院生としてプロを目指していたものの別の道を歩むことになったアマチュアの棋士にも人気がある。