対局スタイル、囲碁への姿勢
1923年生誕。2009年没。九段。昭和を代表する棋士の一人で、藤沢秀行、山部俊郎と共に戦後三羽烏といわれた。
長考派で、序盤から納得した手を打ちたいために最初から持ち時間を惜しみなく使う。結果として、中盤以降に時間がなくなり逆転されることもあった。勝敗以上に盤上の真理を追い求める。
囲碁に対する情熱が強く、日常会話でも囲碁の疑問をぶつけてくるような人だった。
木谷道場での育成
梶原は木谷門下ではないが、木谷道場で若手を指導したこともあった。「石田芳夫、武宮正樹、加藤正夫、他の門下生もいて、総勢20人ぐらいが参加していた。非常に中身の濃い研究会で、若いころ非常に影響を受けた」と教えを受けた小林が2017年8月の囲碁フォーカスで振り返っていた。
碁は序盤が命
梶原が木谷道場で研究会を開いていた頃活躍が目覚しかった木谷門下はケンカつまり闘いに強い碁を売りにしている棋士が多かった。
その木谷門下の棋士たちに梶原は言う。「闘いが始まる前の態勢が重要。つまり序盤の形が良くなければケンカが始まる前に勝負は終わっている。」
梶原の検討は中盤に入ったくらいで終わってしまう。「もうこの碁は終わっている。オワだ」と。そのぐらい序盤を重要視するのが梶原。
梶原定石
答えを出すのが難しいといわれる序盤を学問として捉えて追求していた。布石の研究はとことんやっていて、梶原流、梶原定石とよばれるような定石も生み出した。
梶原定石の代表例
梶原定石
プロの囲碁棋士の梶原武雄が生んだ定石のことで、このページではその代表的なものを紹介する。
梶原定石
白3でP16のワリコミ。その後はほぼ一本道。白19までと...
碁盤を広くとらえる感覚に優れている梶原が生み出す定石には石を捨てることで効率がよくなるという発想が多い。
梶原ワールド
NHK杯を解説する際の話し方は落語家のように軽妙で使う言葉は独特。多くのファンを作った。以下は梶原囲碁ワードの例。
- オワ すでに終わっている
- ニッピラ 二間ビラキ
- カルサバ 軽くさばく
- デネラ 出の狙い
- ノビネラ ノビの狙い
- カルステ 軽く捨てる
- ムズ むずかしい