本木克弥(もとき かつや)

幼少期

群馬県藤岡市出身。藤沢一就門下。なかなかのイケメン。対局中は冷静沈着で顔色一つ変えない。プロ棋士として対局が忙しくなる前に、NHK杯の秒読み係を何期か務めた。

小学一年生のときに囲碁のアニメ番組を見たのがきっかけで囲碁を始めた。放課後に近所の囲碁クラブに通ったりした。囲碁を始めたころは石を取るのが好きで、どんどん囲碁にのめり込んでいった。

木部夏生はライバル

しばらくして伊勢崎市の子供囲碁教室に行くようになり、そこで木部夏生と出会い、古典の詰め碁をたくさん並べて一緒に解いてスピードを競い合ったりしていた。本木は昔から強くて木部より実力が上で倒さなければならない相手だ、と木部は思っていた。

藤沢一就との出会いと天豊道場

その後、木部が通っていた新宿の藤沢一就の囲碁教室に本木も通い始める。藤沢は当時の本木の碁を「とにかく乱暴だが、筋よく追いかけてくる」と振り返る。

そしてプロ棋士養成道場である藤沢一就の「天豊道場」に入りプロを目指す日々が始まる。天豊道場には囲碁以外のものがない。テレビがあったりゲームがあったりするとどうしてもそういうものに気をとられてしまうが、余計なものがない天豊道場は囲碁をやるには最適な環境。

当時同じように住み込みでプロを目指していた兄弟子の寺山怜は「本木は自分が足りない部分を集中して鍛えることができる」と述懐する。

入段とその後

中学卒業後は進学せずにプロを目指すことを決意。そして晴れて16歳で入段。本木はプロになれたときの心境として「すごくうれしかった。学校いってないしプロになれなかったらどうしようと思っていた。ほっとした」と語っていた。

2014年に19歳で第9回若鯉戦に優勝。勢い止まらず2017年には本因坊戦の挑戦者として井山と対戦。結果は〇勝四敗。本木はそれまで読みが強いと自負していたが、井山の読みの力を見せ付けられ叩きのめされた。

本木の棋風

本木の石の配置は高い。三線よりも四線。プロになる以前から中央思考の打ち方だったという。2016年に本木がNHK杯に出たときに解説をおこなった宋光復は、中央思考の打ち方をもつ本木をうまく育てあげた本木の師匠、藤沢一就を賞賛していた。

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