解説が非常に下手な依田紀基。 

囲碁と芸能人・メディア

2013年12月22日に放送されたNHK杯。依田紀基はプロ囲碁棋士の中でも常に上位に位置する素晴らしい棋士であるに違いないが、NHK杯の大盤解説は下手すぎる。

もちろん、解説の内容は申し分ない。問題は場の雰囲気と見ている人に伝える力。

どうしてあんな凍りつく雰囲気を出してしまうのか。

下坂美織は良い雰囲気を作り出そうと笑顔を忘れないでいるにも関わらず、依田は変なタイミングで一人で小さく笑う以外には笑顔は全くない。

難解な局面で強い口調で「これは白だめ」と対局中の棋士(山下)を一蹴。依田はプロ棋士で先の展開がよく読めるし、実際言ってることは正しいに違いない。しかし、そういうコメント毎に空気がどれだけ重くなることか。下坂を怖がらさないでほしい。一回り以上も歳が離れている大先輩なんだから、緊張するのは当然だろう。下坂は悪くない。

学校の先生の授業で「上級者向け」の授業をする先生がいるが、依田の解説はまさしくそれに近い。「わかるやつだけわかればいい」「ついてこられるやつだけついてくればいい」「俺の授業は正しい」などという考え方。依田の解説では中上級者でさえも「なぜそうなのか」という疑問が晴れずに次の局面に話が進んでいくことが多々ある。

中級者は依田の解説についていくのにやっと、初心者は依田が何を言っているのか全く分らない。チンプンカンプンになってしまうのではないだろうか。いや、そうなる前にテレビの前で寝てしまうか、番組をけしてしまうに違いない。

依田の解説をもう少し噛み砕こうと、下坂も視聴者の目線にたった質問を依田にいろいろとぶつける。だが難しい盤面解説はさほど変わらない。下坂がどうしてそんな質問をするのかを依田がよく理解できていないから、難解な解説の補足を依田がしても視聴者にはわけがわからない。

下坂にいろいろ質問されて怒っているようにも見える。 囲碁をもっと世の中に広めたい、普及したいと思っているのなら、ああいう解説態度にはならないだろう。

NHK杯は上級者だけの番組ではない。皆が楽しめるようにする必要がある。そのためには解説の基本姿勢は初心者から中級者の目線。ときどき難しい内容をはさんで上級者をあきさせないようにする。まずは解説の神である石倉昇に大勢の人の前で囲碁を解説する基本的な姿勢をおしえてもらったほうがいい。

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