趙治勲がバラエディに出ないわけ

バラエティ番組で将棋界出身のひふみんを見るようになってから久しい。何かと比較されがちな将棋と囲碁だが、テレビの露出度で考えるとここ最近囲碁は将棋にかなりの差をあけられている。

しかし囲碁ファンなら誰しもが思っているに違いない。ひふみんに負けずとも劣らないバラエティ担当のプロの囲碁棋士がいるではないか。

趙治勲である。

ひふみんは生涯成績として千勝以上を挙げているそうだが、趙治勲の勝利は千五百を超えており今なお現役だ。強さで全くひけをとらない。そして「おかしさ」でもひふみんと互角かそれ以上ではないだろうか。

タイトル戦就位式などの壇上で物怖じ一つしないおもしろスピーチの数々。NHK杯の大盤解説はためになるだけでなく面白い。視聴者が聞き入ってしまう話術がある。

そんな趙治勲をテレビ業界の方々も黙って見過ごすことはなかったようで、今までにバラエティのオファーはいくつか日本棋院に届いたらしい。しかし、趙治勲はそれらの番組に出るに至らなかった。

趙治勲によると、その理由は日本棋院でテレビ番組オファーの窓口となっている人がことごとく断っているからだという。そういうネタとして趙治勲が話しているだけなのかもしれないが、もしこれが本当なら日本棋院はこの人を窓口から即外した方がよい。

バラエティは品がなくて出演者をどんどんいじってくるから出ないほうがいいですよ、とこの担当者は趙治勲にアドバイスをするのだという。趙治勲がいじられるのを嫌がるとでもいうのだろうか。そこまで頭の固い人ではないだろう。

いじられて面白くなってそれで世の中の人々に取り上げられることが多くなって囲碁の普及にも繋がるのであれば、それぐらいたやすいことだと思える人だ、趙治勲は。

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