どうして黒は碁盤の右上から始めるのか。

黒番の人から見て碁盤の右上の星かその辺りに初手を打つことが暗黙の了解になっています。なぜ右上なのか。答えは「白石をもつ人に敬意を払うから」です。

囲碁の世界の考え方として、白石は囲碁が上手な人が使います。棋力に差があって、一方がもう一方に打ってもらうという関係のときは、弱いほうが黒石を使うのが当たり前の決まりごとです。

囲碁は黒番から打ち始めます。そのとき、白番の人から見て黒石が最も目障りにならないところ、それでいて無駄な一手にならないところ、そのような地点を碁盤の上で探した結果、黒番の人から見た右上(つまり白番の人から見れば左下)に初手を打つ慣習が出来上がっていったようです。

白番から見て左下に黒石があれば、次に自分が打つときに碁盤に右手を伸ばしても邪魔になりません。

これは囲碁を右手で打つということを前提にしていますから、左手で打つ人が白石をもつならば、黒は左上に打つのが礼儀なのかもしれません。

兎にも角にも、初手右上で囲碁を打っていただく相手に対して謙虚な姿勢を示すということでしょう。天元にいきなり黒が打ってきたら、黒に策略があろうとも、白は「随分態度がでかいなこいつ」と感じるに違いありません。

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