2015年10月の囲碁フォーカスで特集された。
類い稀な棋士
藤沢秀行名誉棋聖は、棋聖6連覇、名人2期など、通算獲得タイトルは23。獲得タイトル数が秀行より多い棋士はいるが、秀行のように周囲から慕われた棋士はいない。
秀行の人物像
藤沢秀行が囲碁フォーカスで特集されたときの講師、林漢傑によると、藤沢は「破天荒のイメージで、囲碁に対する情熱がすごい。そして器が大きく、門下生関係なく囲碁が上達したい人ならば誰でも教える」という人だったらしい。
ちなみに、藤沢秀行の人生は劇団朋友によって2015年5月、「華と石と」で舞台にもなった。
超スパルタ
教えるときのスタイルはほめて伸ばすとは真逆で、期待の裏返しで怒って怒って怒りまくる。「ほめられたのは1回か2回だけしかない。」(高尾紳路)、「怒られた数のほうが圧倒的に多い。逃げちゃだめだ、戦闘力をつけろ、という言葉が一番印象に残っている。」(倉橋正行)、「叱っていただいたことがうれしい。」(釼持丈)、「あまり考えずに人が打っていた手を打つとものすごく激怒された。」(藤沢一就)
最年長タイトル獲得
1991年の39期王座戦では史上最年長の66歳で王座を獲得した。翌年、当時三冠だった小林光一(棋聖、名人、碁聖)の挑戦を退けて防衛。直後のインタビューでは「(小林を破って防衛したことは)どうってこたあない」と言ってのける。
殺し屋の石を殺した秀行
藤沢秀行の対局で最もよく知られているのが1978年の棋聖戦第5局。大長考の末、殺し屋の異名をもつ加藤正夫の大石をとってしまった。ちなみに、この対局は「棋士200人が選んだ語り継ぎたい妙手・名手ベスト10」の第5位。