古碁
主に江戸時代から明治・大正にかけて打たれた碁のこと。時間制限とコミがなかったため、先番で有利な黒がじっくりと実利をかせごうとする打ち方が多かったようだ。以下のような特徴が見られるという。
特徴
- 隅から辺を重視した碁が多い
- 黒が堅く打つ傾向がある
- 中盤後半からヨセに関してミスが少ない
制限時間とコミ
残っている棋譜は一万以上。時間制限はなかったので「読みがしっかりしていてヨセが丁寧、とてもきれいな棋譜が多い」とプロの棋士は口をそろえる。
当時はコミがなかったので、黒番で負けることは屈辱を意味した。
幻庵と丈和
幻庵と丈和は古碁によくでてくる棋士。
幻庵は服部立徹、井上安節という名前のときもあったが、後世には幻庵として広く知られている。
丈和は本因坊丈和のこと。丈和は名人の座につくことができたが、玄庵はその力があると言われながらもついに名人になることはできなかった。
丈和と玄庵が対局すると、二人は常に最後まで諦めずに最強の一手を尽くしたという。
古碁:1814年 服部立徹(玄庵) 対 本因坊丈和
1814年
黒:服部立徹(玄庵)
白:本因坊丈和
黒番。
黒1(R12)と白2(Q12)の交換の後、黒3(Q6)をおさえようと白4でR6とすると、黒11でS11のとき白12でR13が精一杯。
その後は黒25まで一...
古碁:1822年 本因坊丈和 対 井上安節(玄庵)
1822年
黒:本因坊丈和
白:井上安節(玄庵)
黒番。
右上から中央へかけての白の大石。
玄庵は「死ぬことはないだろう」と思っていたのだろうが、丈和が黒1でT18としたことで一眼を失う。
その後、上辺の一線を9...