囲碁の名誉称号はどうやったら獲得できるのか。

タイトル・棋戦・賞金・記録

2017年の1月中旬に開幕した第41期棋聖戦七番勝負は井山裕太六冠が河野臨挑戦者を4勝2敗で退け、井山の棋聖五連覇という形で幕を閉じました。

井山は今回「名誉棋聖」という称号を手に入れることになりましたが、以下は名誉称号の獲得方法等になります。

  • タイトルを[highlight background=”#FFFF00″]5連覇または通算10期獲得[/highlight]すると、引退後または60歳以降に名誉称号を名乗ることができる。
  • タイトルを[highlight background=”#7CFC00″]連続10期獲得[/highlight]すると、現役から名誉称号を名乗ることができる。

2010年代に圧倒的な力を誇り、多くのタイトルを取り続けている27歳の井山はすでに3つの名誉称号を獲得しています。

七大タイトル全てを獲得した経験のある棋士は「グランドスラム」を達成したといわれますが、井山はその上をいく[highlight background=”#FFFF00″]七大タイトルを同時に保持[/highlight]する「七冠」を2016年に達成しています。

日本の囲碁史上、これだけ強い棋士は未だかつて存在しません。井山はすでに生きる伝説となりつつあります。

井山が現在獲得している名誉称号は名誉棋聖、二十六世本因坊、名誉碁聖の3つです。どの称号もすごいわけですが、大会の規模や賞金額から、この順番で価値が高いと一般的に考えられています。

ちなみに「本因坊」というタイトルの名誉称号は「名誉本因坊」ではなく「○○世本因坊」。これは本因坊がもともと人の名前だったということに由来しています。

歌舞伎が世襲制で名前が受け継がれていくように、実は本因坊も江戸時代から受け継がれてきた家系なのです。

名誉称号を手に入れた棋士たち

今までに名誉称号を手に入れた棋士は以下の10人しかいません。

高川秀格●:二十二世本因坊芳格(9連覇)

坂田栄男●:名誉日本棋院選手権者(5連覇、通算12期)、二十三世本因坊栄寿(7連覇)、名誉NHK杯選手権者(通算11回優勝) 

藤沢秀行●:名誉棋聖(6連覇)

大竹英雄:名誉碁聖(6連覇、通算7期) 

石田芳夫:二十四世本因坊秀芳(5連覇) 

趙治勲:二十五世本因坊治勲(10連覇、通算12期)、名誉名人(5連覇、通算9期) 

林海峯:名誉天元(5連覇) 

加藤正夫●:名誉王座(8連覇、通算11期)

小林光一:名誉棋聖(8連覇)、名誉名人(7連覇、通算8期)、名誉碁聖(6連覇、通算9期) 

井山裕太:名誉棋聖(5連覇)、二十六世本因坊文裕(5連覇)、名誉碁聖(5連覇)

井山以外は全員60歳以上で、すでに他界している棋士(●印)もいます。井山の記録は現在進行中で、今後も上記のタイトルを連覇していく可能性は大です。

今の棋士たちが不甲斐ないというわけではなく井山が桁外れに強いのですが、そんな井山も韓国や中国の棋士にはかないません。最近ではエキシビジョンマッチとして韓国のイ・セドルと対局しましたが、いいところなく敗北。そのイ・セドルは昨年グーグルのAIに1勝4敗と完敗。井山にはこれからも世界とAIを見据えてどんどん強くなってもらいたいところです。

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